First Kiss

コツリ、コツリ、と靴音を響かせて無人のただ広い葬儀場を歩く、パイプ椅子を避けながら進むと白い棺桶が一つポツリとある。その蓋をそっと開けると真っ白な顔をして白い菊に囲まれて眠るお前、認めたくない、俺の目の前に横たわるお前の心臓がもう動いていないだなんて、そうしてお前は俺の中に狂おしい恋心を残して行ってしまうんだな、一人で勝手に。低く落ち着いているけれどどこか甘い、お前の声が好きだ、流されやすいように見えて実は芯をしっかり持っているその心も、新しいもの好きな好奇心旺盛な所も、困った顔も怒った時の顔も全部全部好きだ。でも一番お前の笑顔が好きだ。そう、まだ好きなんだ菊。この気持ちを伝えたら今までの関係が崩れてしまう、それが怖くて俺はお前に自分の気持ちを結局告げずに終わったけれどこんな事になるなら言っておけば良かった・・・

「菊・・・」

頬に手を添えればそこは酷く冷えていて、ああやっぱりお前はもうここに居ないんだと思って胸の奥がズキリ、と痛んだ

「好きだ」

唇を指なぞって、俺は冷たい唇にキスをした
俺の全ても捧げても良い、あの頃に戻してくれよ
なあ神様










アーサーが嘆く姿を葬儀場の入口で二つの人影が黙って見ていた

「ルート・・・」
「ああ、出直すか」
「ねえ菊ってさ、アーサーの事」
「言うな、その事を知ったらあいつはますます辛くなるだろう」
「知ってる、でも俺は菊の為にも言った方が良いんじゃないかって思うんだ アーサーがそうだったように菊もその事を伝えられなかった・・・きっと菊 今絶対後悔してる、だから」
「フェリシアーノ・・・」
「だか、ら・・・あれ?俺何で泣いてるんだろ、昨日散々泣いて涙なんて枯れたと思ってたのに」

ぽろぽろと涙を零すフェリシアーノは晴れ渡った空を見上げて目を細めた

「こんな結末辛すぎるよ」











あとがき
(初めての学パロ設定の話がどシリアスですみません、しかも学パロ設定が全くいかされていない件これは酷い)