サテュリオンの雫

※モブが少し絡んできますので苦手な方はご注意ください










ゆるりと私の意識は水底から浮かび上がる時のような緩慢さで徐々に浮上した、その瞬間ずきりと思いだしたように腹部が痛み低く呻く、自分の最後の記憶はあのいけすかない海賊の長にカットラスの柄で腹を殴られた所で終わっている、忌々しい記憶だ、よりにもよってあの男の前で膝を突く羽目になるとは思ってもいなかった、ぎり、と唇を噛みしめても何もかもが遅い、現在私はとある船(状況からして間違いなく私が意識を飛ばす原因となった男のものだろう)の一室で壁に背を預け床に座っている、それだけ聞くと普通かもしれないが両の手は壁から吊るされた鋼鉄製の手錠によってしっかりと拘束されていて頭上で一纏めになったそれはどんなに動かしてもびくともしない、ふと腰に目をやっても勿論そこに愛刀の姿は無い、例えあったとしても両手が拘束されているので枷を壊す事は出来ない、どの道逃亡は不可能だ。

あの後すぐに首を刎ねずに生かされている所から鑑みるにおおよそ欲しいのは海軍の内部情報だろう、口を割らせる為に何をされるのか分かったものではないが自分は決して仲間を売ったりはしない、意を決した時それまで保たれていた静寂が破られた、誰かの声が聞こえる、一人ではない二人、いや三人だろうか、やけに大声で話をしているようだ

『そういや頭が捕えた海軍の野郎がこの辺に捕えられてるらしいな』
『海軍の野郎、ああ、あのやけにすばしっこい女みたいな男か』
『折角だから面でも拝ませて貰いに行こうぜ』

明確に声が聞き取れるようになるころには扉のすぐ傍まで足音は迫っていた、ややあって乱暴な音とともに部屋の扉が開く、ぞろぞろと連れだってやって来たのは体格の良い、いかにも海賊ですと言ったような男たちだ、男の一人が酒瓶を持っていることや彼らの顔が真っ赤になっていることから手下達が酔っていることは言われずとも理解出来た。にやにやと私を見まわす鬱陶しい視線に見世物ではないと睨み返せば彼らは下卑た笑みを浮かべる

「おお怖い、海軍様はご機嫌ななめか」
「でもこいつ見れば見るほど男には見えねえよな、本当にタマ付いてんのか」
「確かめてみようぜ」

ごつごつとした手が私の軍服に伸びる不躾な手を足を使い払いのけようと私はそこに力を込めるが私の動きに気付いた一人の男が足首を抑え込む

「下衆が!止めろ!」

完全に動きを封じられた私はただ軍服を剥かれていく様を見ていることしか出来ない、上着も中にあるシャツも左右に無理矢理広げられてボタンが弾け飛ぶ、手が拘束されているので上衣は完全に剥ぎとることはできず開いたままそこにあるが下肢の衣服は緩められ辛うじて足首の所にからまっているような状態だ

「はは!こんなナリでもちゃんと付いてやがる」
「上だけ見りゃ胸の無い女だな」
「俺こいつになら勃つかもしれねえ」
「ぎゃはは!そりゃ良い、いっそ3人でまわしちまうか!」
「そういや最近陸に上がってねえからゴブサタだったな」
「良いんじゃねえかこいつなら」
「ヤっちまおうぜ」

会話の内容に眩暈がするどういう思考回路ならその結論に辿り着くのか理解できないし理解したくもない、嫌悪感に身体が震える、怯えているのではない、憤りを感じているのだ、いっそこんなことになるならばあの時あの男に殺されていた方がマシだったかもしれない、ギリ、と強く奥歯を噛みしめるが自分にはどうすることも出来ない、それがひどく口惜しい

「そういやお前良いもの持ってたよな、あれ使っちまおうぜ」
「ああ、これのことか」

一人の男がポケットから小瓶を取り出す、やけに繊細な細工が施されたそれを屈強な男が持っている姿は酷く現実味が薄い、小瓶の中には何やら得体のしれない液体が入っている、この状態で話題に出された時点で碌なものではないことは確定済みだ、手下達は小瓶を見て薄気味悪い笑みを浮かべた後その小瓶の蓋を開けて先の方を私の口元へと持ってきた、だがそんなもの飲む訳にはいかない、口を引き結んで顔を反らせば男は私の首を絞め酸素を求めて反射的に口を開いた瞬間瓶を逆さにして喉の奥へと液体を流し入れる、これでは飲みこまずに吐き出すことも出来ない、不味いと焦るが既に液体は身体の中だ

「この、何を、飲ませた!!」

変化はすぐに現れた、身体が熱い、勿論これは健全な熱などではなくもっと別の、性質が悪い方のものだ、その証拠に身体の芯がぐずりと疼く、瞬く間に熱は拡がって触れてすらいないのに己の中心が硬度を持ち始める、見られたくないと足を動かすが押さえつけられている為それはかなわない、反応し始めた局部を眼前に晒している状況は酷く羞恥心を煽ると同時に自分をこんな状態に陥れた手下共に対して怒りを湧かせた、だが憤る私とは対照的に手下は随分と機嫌が良さそうだ、己を見詰める瞳はぎらぎらと欲情しているようで気持ちが悪い

「すげえ、もうこいつこんなになってるぜ」
「早くご満足させてあげないとなあ」

私に小瓶の液体を飲ませた男が酒臭い息を興奮したように吐きながら自分の下肢の衣服を緩める、現れたそれは妖しげな液体を飲まされた訳でもないのに既に硬度を持っているようだ、嫌だ、止めろ、自分の思いに反して男の動きは止まらない寧ろガチャガチャと鎖を揺らしながら抵抗する私に更に興奮したようで今や中心は完全に反り返っている、男が猛ったそれを後穴に突き入れようとしたその瞬間、唐突にパン!と何かが爆ぜるような音が部屋に響いた

「何をしている」

ドサリ、と私の目の前に居た男が床に倒れ広がった視界、部屋の扉の前で銃を握っている男を見つけて私は一瞬目を見開いた、この海賊船で深紅の豪奢なコートを羽織っている人物など一人しかいない、アーサー・カークランド、私が唯一敗北した相手であり、この船の長だ。彼は倒れた男を一瞥すると残った二人を氷のように冷たい視線で射抜いて口を開く

「お前らにここへ入る許可を与えた覚えはない、死にたくなけりゃその荷物を抱えてとっとと失せろ」

頭の言葉に手下達は弾かれたように顔を上げ大急ぎで倒れた男を抱えると慌ただしく部屋から出て行った





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手下達が去った後菊の状態を一瞥したアーサーは眉間に深く皺を刻む、不機嫌極まりない表情のまま歩み寄ると膝をつき菊の足の間に身体を滑りこませる

「随分お楽しみだったみたいだな」
「・・・ッ!」
「止めずに続けさせた方が良かったか、なあ?」

躊躇いもなく菊の反り立った中心を握り込みアーサーは瞳に業火を燃え上がらせて問い詰める、だが何故相手がこんなに憤っているのか菊には理解できない、手下が捕えた海軍の男を性欲処理に使おうとした、相手には何のデメリットもなく寧ろ憎い海軍の人間が男としての立場を辱められるのだ、これは本来なら歓迎される所だろう、分からないままだったが困惑より先に菊は手下と楽しんでいたと揶揄された事に憤りぞくぞくと快感が絶えず走り続ける身体を宥めて声を絞り出す

「ふざけ、るな、こんなことされて、楽しいはず、が」
「狗みたいに誰にも彼にも発情した状態で良くそんなことが言えるな」
「違う!変な、液体を、飲ませれ、ッあ!いい加減に、離せ!」
「変な液体・・・?」

握り込まれた局部がひくつくのを感じて菊が叫ぶがアーサーは無視して部屋に落ちている小瓶に目を遣る、その小瓶には覚えがあった、確か以前阿漕な商売で富を築いたと評判の商船を襲撃した時船の積み荷の中一際大切そうに保管された箱の中にその小瓶がぎっしりと詰まっていたのだ、自分の船へと持ち帰った後、陸に上がった時他の商人に話を聞けばそれは媚薬の一種らしい、とある植物から精製されたそれは効果の割に副作用がないと今では暇を持て余した貴族連中を相手に高値で取引されているようだった、アーサーは媚薬に対して特に興味を持て無かったので欲しいと強請る部下にはそれをくれてやり残りは全てその商人へ売り払ったのだがどうやら今回はそれが災いしたようだ。事実は少なからずアーサーを安堵させた、危ない所だったが本格的に手は出されていない上菊が興奮した状態なのは己の意思に反したものであることが分かったからだ、海上で見つけて以来手に入れたいと渇望した相手が誰にも穢されずに己の前にある、先程烈火の如く身を蝕んでいた怒りはすっかり勢いを失った、寧ろ気分が良い位だ、薄らと笑みすら浮かべてアーサーは握り込んでいた中心の先をぐりと親指の先でいじる、びくん、と即座に反応を返す相手がたまらない、思わず舌舐めずりをしてアーサーは笑った

「悪かったな、部下が粗相した侘びに助けてやるよ」

そう言うと中心に手を這わせて裏筋を強弱をつけて撫で上げる、対する菊は何故か突然機嫌の良くなった相手に困惑しながらも与えられる刺激に肩を跳ねさせた、飲まされた液体の効果でその快感は何倍にも増幅して感じられる、正直中心は限界に近くもう熱を吐き出してしまいたくて仕方ない、けれど目の前の相手でそれをするのは憚られた、止めろ離せと言いたくても口は嬌声を噛み殺すのに必死で二の句がつげない、菊の様子に気づいていながらも男の手付きは加減がない、どこを触れば気持ち良くなるのか同じく男であるアーサーが知らない筈がなく具合の良い所をこれでもかという程触られてとうとう菊は堪え切れなくなり低く呻く

「ーーーッ!!!」

我慢していた分勢いがついて白濁は至る所に飛び散った、乱雑に開かれた菊の上半身や頬の上を精液が流れ落ちていく、その姿にアーサーの喉が鳴る、やはり相手を助けるだけでは終われそうになかった、それに菊の方も媚薬の効果が続いているらしく先程吐き出したばかりなのにもう既に中心が硬度を持ち始めている。

「侘びは終わりだ、今度はこっちも、気持ち良くしてくれよ」

菊の頬についた白濁をアーサーは親指で拭い、白く汚れた指先を見せつけるように舐めた





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それから後菊はまた数回男の手管によって白濁を吐き出す羽目になるが身体を苛む熱は消えない、寧ろ吐き出す度に感度が良くなり今では僅かな刺激すら快感に繋がる、空気を吸って吐く、生きていく上で不可欠な行為にさえ快感を感じてしまうのだからもうどうしようもない、誤魔化すことも逃れることも出来ないまま菊は嬌声だけは上げるまいと必死で声を殺し続けた、男に良いようにされている 事実は確かに屈辱を感じるが今はそれを感じる余裕すらないまでに追い詰められている。絶えず刺激を与えられ続けた身体は麻痺して後孔に指を入れられる時ですら違和感より快感が勝る、菊が吐き出した白濁をたっぷりと纏わりつかせたぬるぬるしたそれがありえない場所を触る感触に耐えていればとある一点をかすめた時菊の身体が弓なりにしなった、目の奥で白い火花が散る、唐突なことでついていけない菊とは対照的にアーサーは反応を見るや否や笑みを深くして後孔が十分に解れるまで執拗にそこに触れ続けた

「良い具合になったな・・・」

欲情した声でアーサーは言って指を引き抜く、すっかり脱力した菊は荒く息を吐き出すだけで身動きが取れない、陥落した相手を気分良さそうに見下ろしてアーサーは己の下肢の衣服を寛げ相手の淫靡な姿に反応して天を向くそれを取りだした

「・・・ッ!」
「はッ!熱烈な歓迎だ、な・・・ッ!」

菊はずぷ、と後孔に押し入ってくる熱の塊に、アーサーは内壁の締め付けの強さにそれぞれ息を跳ねさせた、喰い千切られそうだと思いながらアーサーが中心を扱いてやればそれに反応した菊の後孔が少し緩む、その隙に少しずつアーサーも 内へと自身を埋めていけば先程菊が過剰に反応した箇所に先が当たり手の中にある菊自身がはぜた、後孔の快感を覚えてしまった身体はそこを少しつついてやるだけで大袈裟なまでに跳ねるもう中心に触れてやらずとも良いだろうとアーサーは菊の良い所を擦ってやりながら奥に進んだ、全部入りきった時、持っていかれそうな感覚に深く息を吐き出して思いっきり突き動かしたいのを耐え焦らすようにゆっくり腰を引けば、相手が堪え切れず短く鳴く、漸く聞けた声に気分が良くなり自分を追い込む事を分かっていながらゆるく、腰を振れば切なげな吐息と共に断続的に声が上がり始める流石にいれられれば耐えきれないらしいきゅう、と絡みついてくる内壁の具合が良すぎて吐きだしたいのをこらえながらの動作はお互いを酷く追いつめた。行為で上昇した体温を調節する為アーサーの頬を伝う汗がぽたりぽたりと菊の胸の上に落ちていく、その僅かな刺激さえ快楽につながるのか菊が肩を震わせ、その度に両手を拘束している鎖の音が鳴る、菊の中に押し入った時のように少しずつ、菊の体内を味わうようにじりじりと穿つ速度を上げればひっきりなしに菊が鳴く、海上で何度も顔を合わせてきたが敗北する瞬間以外菊がその冷静な表情を崩したことは無かった、それが今では顔を歪めて自分の下で切なげに声を上げている、相手を征服する感覚はアーサーをたまらなく興奮させた、背筋を這い上がる快感は性的なものだけではない

「ッあぁああ゛ーーー!!」
「・・・くッ!」

欲望のままに一際強く菊の弱い所を突いてやれば間延びした悲鳴を上げて菊が達する、その瞬間中に入ったアーサーも強く締め付けられ耐えきれずに彼もまた欲を吐き出した、体内に熱い飛沫が注がれるのを感じながらも体力の限界だった菊はそのまま意識を飛ばす、ぐったりとした相手から自身を引き抜いて意識の無い相手にアーサーは口付け首元の肌を強く吸う、白い肌に赤い印が刻まれたのを見ればずっと欲して来た相手が己のものになったのだと強烈に意識させられる、念願の光景にアーサーは人知れず口元を歪めて喉奥で笑った





2012.01.29





あとがき
(すごく・・・厨二な、タイトルです・・・。)