唐突に違和感を感じて大日本帝国はゆるゆると意識を浮上させた、僅かに身動ぎすればちゃぷ、と水音、肩から下はお湯に浸かっているいる感触がするので恐らくではあるが自分の居る場所の見当を付けて大日本帝国は薄らと瞳を開ける、浴槽の中に居ながら大日本帝国の左半身はあたたかく若干の固さを持った物質によりかかっている、浴槽の側面にしてはやわらかいそれは時折動いているようでその正体を確かめる為にも男は瞳を薄らと開いた、大日本帝国の視界に金と緑がぼやけて映る、だがそれが何なのか知覚する前に大日本帝国の身体はびくんと跳ねた、その感覚は先程までの行為を彷彿とさせたが何かが決定的に違っていた、衝撃に叩き起こされるように大日本帝国の意識は一気に覚醒する
「…ッ!!」
今なら自分の体内に埋められているものも、自分が誰に寄りかかっているのかも理解できる、と大日本帝国は思った。大日本帝国と大英帝国は男二人で入るにしては若干狭い白と金の装飾が美しい猫足バスタブの中に居り、バスタブの縁で足を交差させ身体を伸ばす大英帝国の膝の上に大日本帝国が乗っている、大英帝国は大日本帝国の肩に腕を回し己の身体に密着するように抱き寄せているので大日本帝国は意図しない所で大英帝国に体を預ける態勢となっていた、大日本帝国の記憶は大英帝国との情事の最中に途切れている、ならばこの状況は全て大英帝国によるものだと考えて間違いないだろう大日本帝国の眉間に皺が寄る、意識がないにも関わらず体内に指を埋めるとは何事だろうか、今回は途中で起きたから良いもののもこれは普段情事の後意識を飛ばしている隙に何をされているか分かったものではないと相手から身体を離そうとするが動いた瞬間体内の指が弱い箇所に当たり大日本帝国は震えた後舌打ちして動きを止めた
「珍しいなお前が途中で起きるなんて」
大日本帝国を見降ろし大英帝国が口を開く、その一言で大日本帝国は普段意識を飛ばしているうちに大英帝国は無許可に自身の身体に触れているのだと確信する、珍しいという言葉を使った時点でその回数の程が伺い知れる、常習犯かと大日本帝国の機嫌はますます悪くなった
「残念でしたね、好き放題出来なくなって」
「…好き放題?何の事だ?」
大英帝国は大日本帝国の言葉を心底分かっていない様子だったが少し考える素振りを見せた後意味を理解したようでくく、と喉奥で低く笑う
「生憎、意識ない奴襲う趣味はねえな」
「だったら…この指は何ですか、というより早く抜け」
「指入れなかったら掻き出せないだろ」
早く抜けという言葉はスルーだった。一瞬大日本帝国は掻き出す、何をと思ったがそれは聞くのも野暮というものだ事後、後孔から掻きださなければならないものなど一つしかない、かあ、と顔に熱が篭った、普段なら情事の後意識を飛ばし大日本帝国が目を覚ますのは翌日である、起きた時には既に体は清められ衣服も整えられているので相手がある程度は世話してくれているのだろうと思っていたが何かと面倒くさがる相手から鑑みるに精々身体をタオルで拭いて衣服を着させる程度だと大日本帝国は勝手に考えていた、それだけでも相手の普段の態度からすれば破格の扱いなのだから事実がその更に上だと誰が考えるだろう、翌日後孔がいつも通りであることなど当たり前なのでどうせ相手が情事の終わりに中心を引き抜く際勝手に掻きだされているのだと勘違いしている始末である、よくよく考えてみればそんな筈がないと大日本帝国は己の浅慮に歯噛みして情事だけではなく後処理でも相手の前で醜態を晒していたのかと考えれば考えるほど顔に熱が篭っていく、そんな大日本帝国の状態を知らず大英帝国は中断してしまった動作を再開させる
「な、止め…ッ!!」
「おい、動くな、上手く出せねえだろうが」
先程の行為で十分すぎる程解れたそこは指を入れられても異物感が少ない、大日本帝国にはそれが問題だった。異物感の薄いそこは相手が性的な目的でなく触れているのに対しても快感を拾い上げる、ただの後処理なのに中心が反応しかけであるのに加えて声まで上げそうになり大日本帝国は相手から離れようと腕を突っぱねる、情事の時でさえ未だに相手の前で声を上げたり己ですら触れたことのない場所を触られるのは抵抗がある大日本帝国だその反応は当然といえば当然なのだが大英帝国からすれば余計な行動に他ならない、わざと指で弱点に触れ相手の抵抗が弱まった隙に邪魔な腕をもう片方の腕を使って両手首を持つことで相手の動きを完全に封じる
「この、離せ!!」
それでも尚大日本帝国は頑なに大英帝国から逃れようと身を捩るので大英帝国はしばらく意識して弱い箇所に触れると大日本帝国は抵抗する余裕がなくなり今では歯を食いしばり余計な声を上げないようにするので必死だった、普段の取り澄ました涼やかな顔が羞恥で歪むその姿に喉を鳴らしながら大英帝国は爪で内壁を傷つけないようゆっくりとした動きで後孔から指を引き抜く、大英帝国が意図せずとも大日本帝国の身体は動作に快感を覚えびくり、びくりと身体を跳ねさせ堪え切れずに小さく呻いた
「ん゛、ッぁ!!」
「何だ、感じたのか?」
追い打ちのように耳元で囁かれ大日本帝国は相手を睨みつけるが再び後孔につぷりと指を入れられそれどころではなくなった
「何で、また…っ」
「一度で全部出せる訳ないだろ、後二三回だ、我慢しろ」
「にさんって、ッあ、やめ…!」
「何言ってるか分かんねえよ」
残った精液でぬるつくそこを焦らすようにゆっくり進んでいく指が大日本帝国にはたまらない無意識に身体に力が入り指を締め上げてしまい中に入っている相手の指の形を明確に感じ取れる状況に眩暈がした、呼吸に呼応して収縮と弛緩を繰り返す内壁の間を指は少しずつ進み最奥まで到達すると大英帝国は指先で精液を掻き集めるように内壁をこする
「ッぐ…っあぁ!!」
びくんと跳ねる相手の身体を手首を掴んだままの腕で抑え込んで大英帝国は先程と同じようにじわじわと指を引き抜いていく、その間耳まで赤くして震え続ける大日本帝国の様子を堪能しながら男は自分の中に熱が篭るのを感じた、抱き寄せている為相手の振動と熱が直接大英帝国に伝わってくる状況もそれを助長する、声を出すまいと必死にこらえても尚漏れてしまうそれは思わず鳥肌が立つ程色気があり大英帝国の下肢に痺れが走った、ぎゅ、と固く瞼を閉じて相手の行為に耐えていた大日本帝国はふと己の腰あたりに何か固いものが当たっているのを感じて瞳を開く、この状態で当たるものといえば一つしかない、予想した通りそこには大英帝国のそれが反り返った状態であり大日本帝国は息を呑んだ
「なん、で、…ッ!」
「煽るお前が悪い」
「かってに、煽られておいて、よく言う」
「そう言う割にはお前のも随分なことになってるみたいだが?」
引き抜いた指で大英帝国は大日本帝国自身に触れる、大日本帝国のそれも大英帝国と同様の状態だった
「こちらのはッ…不可抗力、でしょう」
そのまま中心を刺激し始めた相手に大日本帝国が息を乱す、すでにそこにはかなりの熱が篭っていて限界も近い数回扱かれただけで込み上げる射精感を大日本帝国は奥歯を噛み締めなんとか堪える、はあ、と嫌に大きくバスルームに吐息が響く、圧倒的に不利なのは大日本帝国だが先に痺れを切らしたのは大英帝国だった、くるり、と位置を入れ替え男は大日本帝国をバスタブの側面に押しつけると自分は相手の足の間に身体を滑り込ませて至近距離で囁く
「悪かったな、でも責任は取ってやるよ」
大日本帝国が反論する前に大英帝国はその口を己の唇で塞ぐ、いつもの荒々しいそれとは違い快楽を引き出すようなキスの仕方に大日本帝国は相手がどう責任を取るつもりなのか理解する、全く以て自分本位甚だしいが大日本帝国の方も口には出さなくとも相手の行動に触発され後孔に嫌な疼きを感じていたのだ互いの利害は一致している、予想外に大人しい相手の様子に大英帝国は唇を離し意地悪く笑う
「抵抗しなくていいのか?」
「したところで、結果は変わらないでしょう?」
「…そういう事にしといてやるよ」
本気で嫌ならば例え結果が変わらないと分かっていても抵抗するのが大日本帝国だ、だが大英帝国は本心を言わない相手を問い詰めることはせず再び口付けると大日本帝国の両足を広げバスタブより外へ出すと後孔に中心を突きたてた、性急な行動に大日本帝国が呻くが大英帝国はそれが痛みによるものではないと知っていた、解れたそこは誘い込むように絡みついて来て具合の良さに大英帝国も息を跳ねさせる、ずぷ、と押し入っても抵抗は少ない大英帝国はなんなくそこへ中心を全て収めきると動きを止めひくひくと動く内壁の感触を堪能した後相手の腰を抱き寄せより深く結合すると再び腰を動かしはじめた
「く…ぅ…ふ…!」
大日本帝国は待ち望んでいた感覚に肩を震わせるが感じ入っていることを相手に知らせたくはなくて声を押し殺す、それでも中心で弱点を突かれれば思わず声を上げそうになる、加速度的に身体に篭る熱に浮かされ大日本帝国の思考に靄がかかり瞳には薄らと涙の膜が張っている状態だ。精液が残るそこはいやらしくぬるついていて滑りが良く強烈な快感を互いに齎す、大英帝国が動く度水面がちゃぷ、と揺れバスルームに高い水音が響く二人の荒い息使いも相まって聴覚的にも昂揚させられながら大英帝国は小刻みに腰を動かした後ずるりと中心が完全に抜けてしまう寸前まで腰を引いて一気に後孔にそれを挿入する
「ッ!お湯…はいって…ッ!」
出し入れする過程で浴槽の湯が後孔に侵入し大日本帝国の身体が弓なりにしなる、熱いそれは精液を注がれる時の感覚と酷似していた。反射でぎゅう、と大日本帝国は内壁で中心を締め上げてしまい大英帝国が吐息を漏らす、自身の限界を悟り相手を追い詰めるように重点的に弱い所を攻めながら腰を動かせば大日本帝国もたまらずに声を上げそうになり咄嗟に己の手の甲を噛んでそれを防ぐだがぎり、と力を込めて噛んでも膨大な快感は相殺しきれない、そんな相手の様子を見かねて大英帝国は腰を抱き寄せる手を動かし大日本帝国の口元の手を取り上げると己の指と相手のそれを絡めて浴槽に押しつける、大日本帝国のもう片方の手は身体を支える為に浴槽を掴んでいるので動かせない相手が逡巡しているうちに大英帝国は先程よりも激しい腰使いで後孔を穿ちたまらず大日本帝国は声を上げた
「ッああ!!」
「良い声だな、もっと、聞かせてくれよ」
「ッあ!…の、性悪、は…ッあ゛ぁ!」
罵り合いながらの情事は彼らにとっては普通のことで互いに甘い言葉を吐きながらの情事の方が異常だった。ぐちゅりと中でお湯と精液が混じり合う感触は二人を追い詰める、既に膨大な熱に犯された体だ限界はすぐそこまで迫っていた、大英帝国が最後最奥まで中心を突き入れたのと同時に大日本帝国はとうとうこらえきれずに白濁を吐き出す
「ぁあああッ!!」
「ッ!!」
内壁の締め付けに大英帝国もたまらずびゅる、と欲を吐き出した、達したことで一瞬意識が飛んだ二人はしばらく荒い息を吐き出しながら呼吸を整える、大日本帝国は立て続けの行為に流石に疲弊して薄れていく意識に従い瞳を閉じようとしたその時、後孔に残った大英帝国の中心がぐちゅり、と動く、風呂に入るその前も散々事に及んだというのにそこは既に硬くなっており大日本帝国は毒づく
「この、絶倫…ッやめ!」
「は!それ褒め言葉だぞ?」
「うるさ…しね」
「腹上死なら、悪くねえな」
舌舐めずりして大英帝国は再び律動をはじめる、それに伴い揺らぐ水面、バスルームの外の窓から見える空は既に白み始めていた。
あとがき
(これにて企画文は終了です、長らくお付き合いくださった方本当にありがとうございました!)