あの子のお気に入り

「ロ、ロシアさん!やめて下さい!!」
「ええーなんでー?」
「何ではこっちの台詞です!何で私が会議中にロシアさんの膝の上で腰をがっちりホールドされなければならないんですか!」
「日本君って軽いね、体も細いし・・・ちゃんとご飯は食べなきゃダメだよー」
「ーーーーーーーー!?!?な、ロシアさ、どこ触って!!」
「慌てふためく日本君の姿って本当に癒されるなあ、ねえ今すぐロシアにならない?」
「ちょ、やめ!くすぐった・・・ふっ・・・!ッ!?」

膝の上の日本の腰を片手でホールドしてもう片方の手で日本の体をあちこち触るロシアが日本の頭を撫でようとした時その手がうなじを掠る、その瞬間日本の体がびくんと震え、ロシアの動きが一瞬止まる、決まり悪そうに俯く日本を見てロシアはにこりと笑みを深める

「もしかして日本君ここ弱いの?」
「あ、ひゃっ!や、ろ、ろしあさ・・・っ!!」

日本のうなじを指でくすぐるロシアの行動を止めるものは誰も居ない、だがそれはロシアに恐れをなしてというよりは皆日本の珍しい姿がもっと見たいからという個人的な理由からだ、だがロシアの手に翻弄される日本の姿は段々と情事の時のそれのようにも見えだし、いたたまれなくなり目を反らす者とますます日本に目を凝らす者の二通りの反応があるのが現在の状況だ、そんな中会議室の扉が静かに開く、しかしロシアは日本に夢中で日本は自分の事でいっぱいいっぱい、各国も二人に意識が向いているので誰も入って来た人物に気が付かなかった

「兄さん・・・」

会議場に入って来た人物がぽつりと呟いた言葉にロシアはびくりと体を震わせ声のした方へギギギ、と古びた機械のように顔を向ける、その人物が誰なのか認識した瞬間ロシアは今までの光輝かんばかりの笑みを恐怖で引き攣らせた

「兄さん、会議に必要な書類を忘れていたようだったので私、持ってきました」
「べ、べべべべべ、ベラルーシ、あの、これは」

普段執拗に結婚を迫ってくるベラルーシは異様に嫉妬深く、ロシアとリトアニアが喋っている所を見ただけでリトアニアの指をあり得ない角度に曲げた事もある程だ、日本を膝の上に乗せているこの状況を見られた今、日本がどんな目に合うのか分かったものじゃない、ロシアはすぐベラルーシから距離を取ろうと動こうとしたが相手がロシアの元に辿りつく方が早く結果椅子に座ったままの状態でベラルーシと対峙する事になる、内心同様表情に焦りを色濃く出してロシアはうろたえる、ベラルーシはロシアの前に書類の入った封筒を置き、ロシアの前の時とは対照的な無表情で日本の事を見降ろす、すると日本は誰もが予想だにしなかった表情をベラルーシにしてみせた

「あ、こんにちはベラルーシさん」

日本はベラルーシに臆する事素振りなど微塵も見せず花がほころぶように柔らかく微笑んで見せた、するとベラルーシは視線を日本から外し、その手を上げる、ロシアは瞬時のその手が日本をタコ殴りにする所を想像したがまたしても予想外な事にベラルーシは日本の頭の上にぽふ、とその掌を乗せ数回日本の頭を撫でてて踵を返す

「この前くれた菓子、美味かった・・・」

体の向きを変える際にベラルーシがぼそりと呟いた言葉を日本はしっかりと聞きとって、それは良かったです、とまた笑って見せる、去り際ベラルーシの頬がほんのりと赤みを帯びていた事は誰も知らない、当の本人でさえも

「ベラルーシが、あのベラルーシが日本君の頭を、撫で、え!?」

混乱しているロシアが落ち着きを取り戻し、日本にベラルーシに何をしたらあんな風になるのか聞くと日本は鷹揚な態度でくすりと笑う

「いえ、以前ロシアさんが私の家にいらした際私が作った和菓子を甚く気に入られていたでしょう?それを知ったベラルーシさんが私にそのレシピを教えて欲しいと言って来られたので以前レシピと一緒に私が作った和菓子もお渡ししただけなんですが」

首を傾げて日本は口元に手をあて考える

「・・・そんなにあの和菓子美味しかったんですかね?」

気に入って頂けたようで嬉しいです、とのほほんと言う日本に対してロシアは心の中で気に入られたのは和菓子だけでは無く日本自身もだと思ったがそれを口に出す事は無かった










あとがき
(兄さん命なベラルーシがロシア以外の人物にも優しさを見せると激しく滾る!!!!と思って衝動的に書いた文でした、ですが自分の文だと滾りませんね、知ってた!!!)